今日のブログは大学の授業についてのブログです。これからも毎週多彩な講師の方に来ていただく、大学院特別講義[リフレーミング]の授業を聞いてのメモや、自分の感想などを書いていきます。
このブログをいつもあまり真面目なトーンで書いていないのでなんか変だなあと思うのですが、たくさんの講師の先生のことばを、わたしたち生徒だけでなく私のブログを読んでくださった方にも読んでいただくことに意味があるんだろうなあと思います。いつもよりキチンと、でもラフに書いていこうと思います。
イントロダクションの1週目を抜かして第1回目の先生は、中垣信夫さん。
中垣信夫|なかがき・のぶお
1938年神奈川県生まれ.武蔵野美術大学卒業.ウルム造形大学留学.1964~73年杉浦康平デザイン事務所勤務.1973年,中垣デザイン事務所設立.2008年4月,社会人のためのデザイン学校「ミームデザイン学校」を設立.
― 「デザイン理念」中垣デザイン事務所
なんで「ミームデザイン学校」をはじめたか
中垣さんは、いま社会人の方のためのデザインの学校をつくって、そこで教えていらっしゃる。『ミームデザイン学校』。「ミーム」とは、「個々の文化の情報をもち,模倣を通じてヒトの脳から脳へ伝達される仮想の遺伝子」(大辞林 第三版より)。
中垣さんは、「社会の中でミームを交換しながら、また新しい考えが生まれてくる」「ミームとは文化の遺伝であり、文化を交換する遺伝子だ」と仰っていた。ミームデザイン学校で授業につき2人の先生をつけているのも、先生同士でミームを交換してほしいから。
日本語の勉強から始めましょう
日本語のおもしろさを知るために、まず日本語(漢字、かな文字、カタカナ)のお勉強ダイジェスト。
- 4世紀くらいまで日本に文字はなかったよ
- 仏教と一緒に漢字が伝わってきたよ → 漢字を手に入れたよ
- お経の横に、カナをふったよ → カタカナが発生したよ
- 漢字からシルエットを真似する → ひらがなが発生したよ。
つまり、日本語の文章はこの4つの種類の言葉を使っているのである!
日本語はむずかしい。欧文はそのまま打っても美しい。中国語は正方形の漢字を並べるだけ。ハングルは形式の中でならべるだけ。
もともと流れるように書かれていた日本語の漢字仮名交じり文を、フォントにするときに正方形におさめたものをそのまま組んでも美しい訳がない。だから、文字組みが日本語のタイポグラファーのお仕事だと仰っていました。
美しいスライド
ここまでのこともスライドとともに見せていただいたのですが、中垣さんの見せてくださるスライド、文字しか書かれていないのに文字組みが美しくて、それだけで本当に格好いい。講義のはじめに「日本語はかっこ悪いと思う?」と投げかけられたとき、「日本語大好きだしかっこ悪くないけど、難しいなあ」と考えていた。文字が書かれているだけでかっこいいって、クールだなあ。
かっこいい!!
中垣さんの作品の紹介
こんなかんじで、みんなを集めて作品を見せてくださった。
上の画像は、西洋美術の系譜(だれが誰に師事していたのか、とかの流れ)を作った時のプロセス。
西洋美術の系譜
大きな紙。これを纏めることもだけれど、この情報を精査(専門の先生に確かめていただいたとのことだった)することも相当大変だろうと思う。私自身いまMS開発史をこういう系譜にまとめてインフォグラフィックスにしようと考えていたので、これを見てビビっている。
ハザードマップ
これも手書き。下書きにしたトレペを持ってきてくださっていた。
瀧口修造1958旅する眼差し 装丁
これがすごくて、写真集、解説書、旅先からの絵葉書、旅の記念品などが特製のケースに入っている本の装丁。

- 作者: 慶應義塾大学アート・センター
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手書きで書かれた、台割の細かさに感動。手書きであることの迫力、すごさがある。
まとめ
手書きってすごくわかりやすい。ディスプレイの前じゃなくて、実際に紙の上で手を動かしてみて考えてみる。自分の考えを纏めるときはいつも手書きだけど、大きなものをデザインしたことってあまりなくて、モビルスーツ開発史まとめなきゃダメだ!と思いました。やってみよう。手を動かしてみよう。