今回のブログは大学の授業についてのブログです。これからも毎週多彩な講師の方に来ていただく、大学院特別講義[リフレーミング]の授業を聞いてのメモや、自分の感想などを書いていきます。
第5回目の先生は、 セミトランスペアレント・デザイン代表の田中良治さん。
田中良治|TANAKA Ryoji
1975年生まれ、三重県出身。2003年、セミトランスペアレント・デザインを設立。
黎明期よりネットとリアルを連動するような独自のデザイン手法を確立し多くのウェブ広告を制作。
TIAA、カンヌ国際広告祭、クリオ賞、One Show、LIAA、New York ADC、D&ADなど国内外の広告賞を多数受賞している。
― 『クリエイターのヒミツ基地』 Volume12 セミトランスペアレント・デザイン - 連載・コラム : CINRA.NET
ネットで起こっていることをリアルに
今でこそ当たり前になっていることですが、「ネットで起こっていることをリアルに」という、「ネットとリアルの連動」を黎明期から挑戦されている田中さんです。
田中さんが上京した当時(2000年)世間の「ウェブデザイン」のイメージは、「飯を食うための仕事」。
グラフィックとウェブデザインの関係が対等でないということから、グラフィックのコンテキストを含んだグラフィックデザイナーからアプローチできない、いいウェブ(グラフィック)をつくりたいと考えるようになり、出来たのが『tFont』という「時間軸を持った書体」です。
スクラッチに反応する文字。光の点滅をシャッタースピードを落としたカメラで撮影することで初めて見れる文字。どんどん崩れていく文字。まさに「webでしかできないグラフィック」です。
n次創作のおもしろさとリフレーミング
田中さんはインターネットのカルチャーである「n次創作(二次創作)」にすごく興味があるんだそうで、見せてくれたのがこれです。
エヴァンゲリオンの音声にミッフィーの映像を合わせたMAD動画。はじめて見た……。
オリジナルと二次創作の関係が面白い、という田中さん。背景やコンテキストとして、「こういうもの」を消費してきた人が「つくったもの」。
例えばスケーターには、街が私たちとは違う見え方がしてるようです。
安全のために作られた手すりに飛び乗ってすべる。そして最悪怪我する、というよくわからない面白さがあります。
「手すり」のフレームを、とりなおす。違う使い方をしてみる(良くないけど)。これも一種のリフレーミングかなと思います。
JAPANESE SUMMER NOISE T-SHIRTS
JAPANESE SUMMER NOISE=セミ。1週間の命のセミになぞらえ、web上で1週間のうちにどんどんデザインが消えていくTシャツを公開(先ほどの、時間軸を持ったフォント『tFont』を使ってる)。
1日1日で購入可能なデザインが変化するので、「いつ買うか」という話題でユーザーはツイッターで盛り上がったりしていたとか。
さらに、そのTシャツを着た人たちで集まってFlashMob的なイベントも開催。「Tシャツで小さなコミュニティをつくる」ことに成功。どのあたりの日が人気だったんだろう? 気になります。
引用:CBCNET : TOPIC » エキソニモとセミトラのコラボTシャツ『JAPANESE SUMMER NOISE T-SHIRTS』第2期が8月26日よりスタート